エアコン 部屋干し家電

弱冷房除湿や再熱除湿って?除湿方式で決まるエアコンの選び方

2021年9月29日

弱冷房除湿とか再熱除湿って何?

エアコンの除湿方式だよ。もう一つのハイブリッド除湿もあるよ

エアコン除湿のハテナ

  • エアコンの除湿機能ってどういう仕組みで除湿するの?
  • 弱冷房除湿とか再熱除湿って何?
  • エアコンの除湿機能って部屋干しに役立つの?

こんな疑問にお答えします。

除湿できるなら、どの除湿方式でも一緒でしょ?

除湿した時の室温の変化に違いがあるよ!

本サイトでは、日々の生活に欠かせない洗濯を、今の生活様式にあった形で楽に時短するための方法やグッズを解説しています。

今回の記事では、部屋干し家電としても欠かせないエアコンを選ぶ時に大切な3つの除湿方式の特徴と仕組みについて詳しく解説します。

エアコンってどういう仕組みで除湿するの?

教えて!

エアコンの除湿機能ってどういう仕組み?

答え

空気を冷やした時に起きる結露を利用して除湿します

詳しく解説します。

エアコンの除湿機能の仕組みって覚える必要あるの?

覚える必要はないけど、知っておくと除湿方式の違いがわかりやすくなるよ

気温と湿度のカンケイ

空気がたくわえられる水分(水蒸気)の量は、気温によって変わります。

気温による飽和水蒸気量の違い

空気中に含まれる水分(水蒸気)の量には限界があり、1m3の空気中に含むことができる水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます

気温によって、飽和水蒸気量は変わります

気温が高い

空気中にたくわえられる水分量は多い

気温が低い

空気中にたくわえられる水分量は少ない

気温が高い夏は湿度が高く、気温が低い冬は湿度が低いのも、温度によって空気がたくわえられる水分量が変わるためです。

湿度と結露のカンケイ

湿度100%とは、空気中にそれ以上水分(水蒸気)をたくわえられない状態です。

ここがポイント

湿度100%になると、空気中にたくわえられなくなった水分(水蒸気)が、水滴となってあふれてきます。これが結露です

結露の仕組み

暖かい空気はたくわえられる水分量が多いため、冷えた時にあふれる水分量も多くなります

温度差が大きい

気温が高いとコップ表面につく水滴は多い

結露した時の水分量は多い

冷たい空気はたくわえられる水分量が少ないため、さらに冷やしてもあふれる水分量は少なくなります

温度差が小さい

気温が低いとコップ表面につく水滴は少ない

結露した時の水分量は少ない

結露と除湿のカンケイ

エアコンの除湿機能は、この結露の仕組みを利用して除湿します。

エアコン除湿の仕組み


  • 湿った空気を取り込んで熱交換器で熱をうばう

    熱をうばわれた空気が冷える


  • 空気が冷えて結露した水分が熱交換器につく

    水分はホースから外に排出

    熱も室外機から外に排出


  • 冷えて乾燥した空気を室内に戻す

    冷えた空気の戻し方は除湿方式によって異なる


湿った空気を冷やす時の温度差が大きいほど、たくさん除湿できます。

除湿方式によって、冷えて乾燥した空気を室内に戻す時の戻し方は異なりますが、暖かい空気から熱をうばって結露した水分を取り除く仕組みは一緒です。


エアコンの3つの除湿方式とそれぞれの特徴

教えて!

弱冷房除湿とか再熱除湿って何?

答え

エアコンの除湿方式です。除湿方式によって室温の変化に差があります

詳しく解説します。

エアコンの3つの除湿方式

エアコンには3つの除湿方式があります。

エアコンの3つの除湿方式

  • 弱冷房除湿

除湿力が弱く、湿度とともに室温も下がる

  • 再熱除湿

除湿力が高く、室温は変わらないが消費電力が多い

  • ハイブリッド除湿

除湿力は高いが、室温はやや下がる

エアコンの除湿機能は、空気を冷やした時に起きる結露を利用して水分を取り除いて除湿します

水分を取り除いた後、冷えて乾燥した空気を室内に戻す時の戻し方が除湿方式によって違います

エアコン除湿方式の違い


  • 湿った空気を取り込んで熱交換器で熱をうばう

    熱をうばわれた空気が冷える


  • 冷えた空気から結露した水分が熱交換器につく

    水分はホースから外に排出

    熱も室外機から外に排出


  • 冷えて乾燥した空気を室内に戻す

    弱冷房除湿:冷えた空気をそのまま戻す

    再熱除湿:冷えた空気を暖めてから戻す

    ハイブリッド除湿:冷えた空気に室内の空気を混ぜて室温に近づけてから戻す


結露や除湿の仕組みは、後ほど詳しく解説します。

弱冷房除湿の特徴

弱冷房除湿の特徴

除湿能力低い★☆☆
消費電力少ない★★★
室温の変化下がる★☆☆

湿度を下げるために、微弱な冷房運転を続けるのが弱冷房除湿です。

冷房よりも消費電力が少ないメリットがありますが、冷えた空気をそのまま室内に戻すので室温が下がるデメリットもあります。

湿度は高く気温は低い梅雨時期は、さらに室温が下がって洗濯物の水分が蒸発しにくくなります。

湿度も気温も低い冬時期は、暖房機能を使って室温を上げた方が効果的です。

ここがポイント

弱冷房除湿は、夏のように室温が多少下がっても洗濯物の乾燥に影響が少ない時季に相性がいい除湿方式です

再熱除湿の特徴

再熱除湿の特徴

除湿能力高い★★★
消費電力多い★☆☆
室温の変化変わらない★★★

湿度を下げるために冷えた空気を、暖めて適温にしてから室内に戻すのが再熱除湿です。

室温は変わらず湿度だけ下がるメリットがありますが、冷えた空気を暖めてから戻すので消費電力が多いデメリットもあります。

消費電力のハナシ

再熱除湿の消費電力が高いといっても、弱冷房除湿やハイブリッド除湿と比べると高い程度です。

以前は再熱する際に専用のヒーターで暖めていたため消費電力も多くなっていましたが、現在は室外機の排熱の一部を利用するなど省エネに配慮されています。

ここがポイント

再熱除湿は、室温は変わらず湿度だけ下がるので部屋干しと相性がいいものの、消費電力は比較的多い除湿方式です

ハイブリッド除湿の特徴

ハイブリッド除湿の特徴

除湿能力やや高い★★☆
消費電力やや少ない★★☆
室温の変化やや下がる★★☆

湿度を下げるために冷えた空気と室内の空気をまぜて、室温に近づけてから室内に戻すのがハイブリッド除湿です。

室温はあまり下がらず、消費電力も弱冷房除湿とそれほど変わらないメリットがあります。

ハイブリッド方式には明確なデメリットはありませんが、この方式を採用している機種があまり多くはありません。

ここがポイント

ハイブリッド除湿は、室温はやや下がるものの湿度はより下がるので部屋干しと相性がよく、消費電力も少ない除湿方式です


エアコンの除湿機能を部屋干しに役立てよう

教えて!

エアコンの除湿機能って部屋干しに役立つの?

答え

エアコンの除湿機能で湿度60%以下にすると、洗濯物から蒸発した水分が拡散しやすくなるので乾きやすくなります

部屋干し乾燥にエアコンの除湿機能が役立つワケを解説します。

洗濯物が乾きやすいのは湿度60%以下

部屋干しをすると洗濯物が乾きにくいのは、部屋干しスペースが洗濯物が乾きやすい環境になっていないのが原因です。

洗濯物が乾きやすい環境


  • 気温が高い

    洗濯物に含まれる水分が蒸発しやすい


  • 湿度が低い

    空気中に蒸発した水分が拡散しやすい


  • 風がある

    洗濯物の周りの湿った空気と乾いた空気が循環しやすい


洗濯物が乾きやすくなる目安は湿度60%以下と言われています。

乾きやすい湿度の目安

  • 湿度は60%以下で洗濯物が乾きやすくなる

エアコン除湿で空気中に蒸発した水分を拡散させよう

洗濯物から蒸発した水分を周りの空気に拡散させるサイクルを続けると洗濯物は乾きます。

洗濯物の周りの湿度が高いと、蒸発した水分の逃げ場が少ないため拡散しづらくなり、いつまでたっても乾きません。

エアコン除湿機能の役割

  • 湿度を下げて、洗濯物から蒸発した水分を周りの空気に拡散させる
蒸発した水分が拡散しやすい

ここがポイント

湿度60%以下になるようにエアコンの除湿機能を使うと、洗濯物から蒸発した水分の逃げ場が多くなって拡散しやすくなるので、部屋干しスペースが洗濯物が乾きやすい環境になります

エアコン除湿が使える時季と使えない時季

湿度を60%以下にするために除湿機能を使う機会が多くなる時季を、2020年の東京の湿度を例に見てみましょう。

東京 2020年(月ごとの値)湿度

気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2020&month=&day=&view=p1)より引用

平均湿度が60%を大きく上回っている5月から10月の、最高気温の平均と平均湿度をまとめてみました。

東京 2020年 月ごとの値
気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2020&month=&day=&view=p1)より引用

弱冷房除湿が使える時季

6月から9月のように最高気温の平均が夏日(25℃以上)より高い時季が、弱冷房除湿を使える時季です

5月や10月のように、弱冷房除湿により室温が20℃を下回るような時季は、再熱除湿やハイブリッド除湿か除湿機がおススメです。

再熱除湿・ハイブリッド除湿が使える時季

室温が変わらないもしくはやや下がる程度ですので、室温が20℃以上あれば再熱除湿やハイブリッド除湿が使える時季です

除湿機能が使えない時季

11月から4月は平均湿度が60%を超えている月がほとんどですが、この時季は最高気温の平均が20℃を下回っています。

室温が20℃以下の時に除湿機能を使うと洗濯物が乾きやすい環境になりません

室温が20℃以下の時季が、除湿機能を使えない時季です

【部屋干し臭対策】洗濯後5時間以内に乾燥させよう

自然の力に頼れない部屋干しでは、家電の力で洗濯物が乾きやすい環境を作る必要があります。

乾きやすい環境で洗濯物を干さないと、乾くまでに時間がかかって部屋干し臭が発生します。

部屋干し臭の原因は、皮脂や水分を栄養に繁殖するモラクセラ菌が増殖する時に出す排泄物と言われています。

そのモラクセラ菌が増殖するタイミングが洗濯してから5時間後のようです。

生乾き臭を発生させないために最も重要なのは、「洗濯が終わってから乾くまでの時間」です。モラクセラ菌は5時間経った頃から爆発的に増殖するため、5時間以内に乾かすことができれば生乾き臭をある程度抑えることができます。

空気のマメ知識「洗濯物の生乾き臭は洗って5時間以内が勝負!? ニオイの原因と生乾き臭を防ぐ干し方」 | DAIKINストリーマ研究所(https://www.daikin-streamer.com/article/006.html)より引用
関連記事
部屋干し臭をおさえる乾燥時間は?発生までのタイムリミットと対策

続きを見る

洗濯物を速く乾かすためには、湿度を下げられる除湿機は欠かせません。

ここがポイント

部屋干し臭が発生する約5時間以内に乾かすためには、湿度を下げて洗濯物が乾きやすい環境にできるエアコンの除湿機能が役立ちます

洗濯後5時間はモラクセラ菌が爆発的に増殖するタイミングです。それまで一切発生しないわけでも増殖しないわけでもありませんのでご注意ください


まとめ

弱冷房除湿や再熱除湿って?除湿方式で決まるエアコンの選び方のポイント

エアコンの除湿機能ってどういう仕組み?

  • 空気を冷やした時に起きる結露を利用して除湿します。

エアコン除湿の仕組み


  • 湿った空気を取り込んで熱交換器で熱をうばう

    熱をうばわれた空気が冷える


  • 空気が冷えて結露した水分が熱交換器につく

    水分はホースから外に排出

    熱も室外機から外に排出


  • 冷えて乾燥した空気を室内に戻す

    冷えた空気の戻し方は除湿方式によって異なる


弱冷房除湿とか再熱除湿って何?

  • エアコンの除湿方式です。除湿方式によって室温の変化に差があります。

エアコンの3つの除湿方式

  • 弱冷房除湿

除湿力が弱く、湿度とともに室温も下がる

  • 再熱除湿

除湿力が高く、室温は変わらないが消費電力が多い

  • ハイブリッド除湿

除湿力は高いが、室温はやや下がる

エアコンの除湿機能って部屋干しに役立つの?

  • エアコンの除湿機能で湿度60%以下にすると、洗濯物から蒸発した水分が拡散しやすくなるので乾きやすくなります。

今回は以上です。

-エアコン, 部屋干し家電
-,

© 2024 パパのイチニチ