家事のススメ

家事初心者に料理をお願いする時の心得

2021年5月28日

普段あまり家事をしない人に料理をお願いする時って、どういう伝え方をすればこっちがやってほしいことが伝わるのかな?私が忙しいから晩ごはんの準備や片づけを一緒にやってほしかったのに、結局やってくれたのは料理だけ。食後は片付けなんて全然手伝ってくれないし。それで満足げにドヤ顔ってどういうこと?

家事初心者に料理をお願いした時のあるあるですね。家事を毎日やっている側からすると、「なんでそうなるの?」と目が点になることもしばしば。

どう言ったら伝わるか?

どう伝えたらわかってもらえるか?

今回はそんなお話です。

本記事の内容

  • 料理初心者と料理のゴールを共有しよう
  • 料理初心者が勘違いしがちなコトを知ろう
  • 料理初心者に失敗しないためのコツを教えよう
  • まとめ:料理初心者だった頃を思い出して伝えよう

今回の内容は、料理初心者の気持ちになって伝えてみようです。

「いや、毎日苦労しているのはこっちなんだから、こっちの気持ちこそ考えてよね!」

そうおっしゃりたい主婦(主夫)の皆さんの気持ちはわかります。ごもっともなご意見です。

でも、お願いした通りにやってもらえないのは、料理初心者に伝えるべきポイントが伝わっていないからです。

料理初心者に「主婦(主夫)からお願いされた料理のポイント、言われなくてもわかるようになって!」って言うより、

主婦(主夫)の皆さんに「家事初心者の気持ちになって伝えてあげて!」ってお願いする方が現実的です。

ポイントさえ伝えれば、ポイントさえわかれば、ハードルは一気に下がります

料理はもちろん、家事をできる人が増えて困ることはありませんよ。

料理初心者と料理のゴールを共有しよう

料理をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその1。

それは、目指すゴールを共有していないからです。

料理のゴールは食事ではない

料理をお願いしたら、ごはんを作っただけで包丁やまな板は使いっぱなし。食べ終わった食器の片付けも全然やってくれなかった。

「料理をお願いね」って言われたから晩ごはんを作ったのに、お礼を言われるどころか「なんで洗い物はしないの?」って文句を言われた。

こんな経験はありませんか?

こういうすれ違いが生まれるのは、料理をお願いする側(主婦/主夫)とお願いされた側の(料理初心者)の料理の目的=ゴールが異なるためです

料理という家事をどのように認識しているかを比較するとわかりやすくなります。

料理とは?料理のゴールは?
家事初心者食事のための準備食事
主婦(主夫)食事という目的のための手段片付け

次に、料理工程を比較してみます。

家事初心者の料理工程主婦(主夫)の料理工程
1.メニューを考える
2.レシピを調べる
3.買い物をする
4.下ごしらえをする
5.食卓の準備をする
6.食器を準備する
7.調理&盛り付けをする
8.食事をする
1.メニューを考える
2.レシピを調べる
3.買い物をする
4.下ごしらえをする
5.食卓の準備をする
6.食器を準備する
7.調理&盛り付けをする
-食事-
8.食後に食卓を片付ける
9.洗い物をする
10.片づけをする
※比較のための一例です。

家事初心者にとって料理とは食事のための準備ですので、料理工程のゴールは食事です

ゴールの後、つまり食後の洗い物や片付けは料理工程に入っていません。

一方、主婦(主夫)にとって料理とは食事という目的のための手段のひとつです

食事の手段として外食やデリバリーを選択した場合は料理は不要になり、料理をする場合の工程を見ても、食事は工程には入らず片付けがゴールです。

結果、「料理がんばった」という家事初心者に対して、「片づけまでやってくれない。中途半端!」という不満が出てきます。

このようなすれ違いが生まれないようにするためには、やってほしいポイントを具体的に伝えて目指すべきゴールを共有することが必要です

「晩ごはんの料理だけど、買い物と食卓の準備は私がするから、ごはんを2合炊くのと、カレーを作るのと、食後の洗い物までお願い。洗った食器をしまうのは一緒にやろうね。」

こんな感じで、目指すゴールは食後にあることが伝われば、料理のゴールが食事ではないことがわかってもらえるはずです

一緒にやりながら「料理という家事」への理解が深まれば同じゴールを目指すことができるようになるので、家事の分担もしやすくなると思います

この章のまとめ

  • お願いする側(主婦/主夫)とお願いされた側の(料理初心者)の料理の目的=ゴールを共有しないとすれ違いが生まれる。
  • 料理のゴールを共有するためには、やってほしいポイントを具体的に伝える
  • 料理のゴールを共有することで、同じゴールを目指して家事を分担することができる。

料理初心者が勘違いしがちなコトを知ろう

料理をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその2。

それは、料理初心者がやりがちな勘違いをふまえて伝えていないからです。

自分ができなくても妻(夫)がいると思いがち

忙しいから料理をお願いしたのに「がんばろうと思ったんだけどごめんね」って途中でやめちゃって、結局自分がやる羽目に。頼りにしていたのに最悪!

料理初心者に頼んでうまくいかなかった時って、こんな愚痴を聞きますよね。

忙しくて手が回らなくない状況だから頼りにしたのに、途中で投げ出されたら「なんでそんなに無責任なの!」って言いたくなります。

でもここはひとつ冷静になって、無責任なことを言ってしまうのはなぜか考えてみましょう

理由は色々と考えられますが、おそらく家事初心者のやる気がでない一番の理由は「自分がやらなくても大丈夫」と思っているからです。

それが、「うちの妻(夫)ならひとりでも問題ないでしょ」という楽観的な考えによるものなのか、「どうせ自分は当てにされていない」という悲観的な考えによるものなのかはわかりません。

でも「自分がやらなくても大丈夫」と思うのは、二つのことを過小評価しているからです。

その二つとは、家事の量と自分自身の力量です

家事の量は、家族の人数に応じて増えていく。

家事の負担は、家事を分担できる人数に応じて減っていく。

この二つのポイントがわかっていないため、「料理初心者の自分がやらなくても大丈夫」と勘違いしてしまうのです

料理をお願いする時はこの二つのポイント、家事の量が多くて料理まで手が回らないこと、そしてどれだけパートナーのことを頼りにしているかを伝えることが大切です

「あなたは『自分ができなくても私がいるから大丈夫』って思っているかもしれないけど、私も『自分ができない時はあなたに頼ればいいから大丈夫』って思えるようになりたい」と伝えましょう。

家事で起きる問題は、主婦(主夫)ひとりの問題ではなく二人の問題であることがわかれば、きっとあなたの想いは伝わるはずです。

自分のやり方でやっていいと思いがち

失敗してやりなおすことになったら悪いなって思って、料理のやり方のポイントを教えても『ネットで調べたらこっちのやり方がいいって書いてあった』とか言って、自分のやり方でやろうとするのはなぜ?それでもちゃんとできていればいいけど、全然できてないし!

料理初心者に教えようとしてうまくいかなかった時って、こんな愚痴を聞きますよね。

失敗しないようにと思って教えたのに、教えたとおりにやらないで失敗されると、「何のために教えたと思っているの?」ってため息がでます。

でもここはひとつ冷静になって、こちらの意図が伝わらなかったのはなぜか考えてみましょう。

その理由は、おそらく料理のやり方を教えた理由である「失敗しないように」というポイントが伝わっていないからです。

主婦(主夫)がスムーズに料理をできるのは、失敗してきた経験を活かして自分なりの料理方法を確立してきたからです。

たくさん失敗してきた主婦(主夫)は、何が失敗の原因になるかもわかれば、より成功しやすい方法もわかります。

だから料理を教える時は、失敗する原因が少ない自分のやり方で教えます。

そうやって早く確実に料理をおぼえてもらって分担できるようになれば、教える側の料理の負担も減りますからね。

でも、「失敗しないために」というポイントが伝わっていないと、「やり方を教えてくれたけど、自分は自分のやり方を見つけよう!」なんて勘違いすることになります

それはそれで悪いことではないんですけどね。やる気があるのはいいことです。

料理のやり方を教える時は、失敗しないためのポイントと失敗してやりなおすことの大変さを伝えることが大切です

「あなたが自分のやり方でやってみたい気持ちはわかるけど、今日は忙しくて料理を作り直す時間はないから、一番失敗しないこのやり方でお願いできる?」と伝えましょう。

今、料理をするうえで優先すべきことは何かということがわかれば、きっと失敗しないやり方でやってくれるはずです。

料理をやったらほめてもらえると思いがち

洗い物しかやってないのに、すごいことやってやった!みたいな感じで「どう?」ってほめてもらいたがるの何なの?毎日家事をやっている私にお礼なんか言わないのに!

これもよく聞く話ですよね。

「はじめてのおつかいじゃないんだから、あなたをほめるためにお願いしているわけじゃない」って言いたくなるのもごもっともです。

でも、こういう発想って普段料理をしている私たちにとっても悲しいと思いませんか?

料理は「やって当たり前」かもしれませんが、「やって当たり前」だとお礼を言わなくなるのはなぜでしょう

料理をやるからこそ、料理をやってくれる人がいるからこそ、日々の食生活が成り立っているということに価値を感じない人が多過ぎます

自分のために料理をしてくれたことに感謝の気持ちを伝える。

感謝の気持ちは言葉にしてこそ伝わり、伝えてこそ価値があります。

以心伝心という言葉は、コミュニケーションをとらない言い訳として使うためのものではありません。

「料理をやったらほめてもらえるなんて勘違いも甚だしい」世の中から「料理をやってもらっているのに感謝もしないなんて勘違いも甚だしい」世の中に変えていきたいと思います。

この章のまとめ

  • 料理をお願いする時は、家事の量が多くて料理まで手が回らないこと、どれだけパートナーのことを頼りにしているかという二つのポイントを伝える。
  • 料理のやり方を教える時は、失敗しないためのポイントと、失敗してやりなおすことの大変さという二つのポイントを伝える。
  • 「料理をやって当たり前」ではなく「料理をやってもらったら感謝するのが当たり前」になるように、感謝の気持ちは言葉にして伝える。

料理初心者に失敗しないためのコツを教えよう

料理をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその3。

それは、料理初心者に失敗しないためのコツを伝えていないからです。

できることを確実にやる

「料理をやるうえで、気をつけることはなんですか?」と聞かれたら、迷わずこう答えます。

「やりなおすほどの失敗をしないことです」と。

ごはんを炊く時に、水加減を間違えたことはありませんか?

0.5合くらいの間違いであれば、ちょっと硬すぎる、ちょっと柔らかすぎるくらいで我慢できなくもありませんが、それ以上だと白飯として食べるのは厳しいですよね。

ごはんの水加減の間違いを対応する方法はいくらでもありますので、それ自体は大きな問題ではありません。

硬すぎるごはんや柔らかすぎるごはんをムダにせず、どう使うかも主婦(主夫)の腕の見せ所ですし。

でも確実にムダにするものがあります。それは時間です

一日にやるべき家事は、料理のほかにもたくさんあります。

日によって家事の数は大きく変わりませんが、家事に使える時間も大きく変わりません。

失敗した家事をリカバリーするための時間は、ほかの家事の時間や自分の時間を奪っていきます

家事をやっていると、そのうち失敗してやりなおすことのダメージの大きさに気づきます。

自分の力量以上のことをやろうと背伸びをして失敗した時も同様です。

料理初心者が料理をやる時、ちょっと背伸びをしてむずかしいことをやりがちです。

同じことを繰り返すことが多い家事は、やればやるほど手際よくなります。

それは料理も同じです。

手際よくできるようになって余裕ができてからむずかしいことにチャレンジすると、それほど背伸びしなくてもできるようになっていたりします

家事をお願いする時は、ぜひ教えてあげてください。

「料理に大切なのは、できることを確実にやることだよ」と。

大切なのは「いつ」やるか

料理初心者が料理をやる時に見落としがちなのが、「いつ」やるかという点です

「家事は次に何かをやるための準備」という認識がないまま「時間が空いた時にやればいい」と思っていると、やるべき家事がどんどん溜まっていって、次の予定もはじめられないという状況になります。

明日のお弁当の準備をする前にキッチン周りを片付けてほしくて「洗い物お願いね」って言ったら「わかった」って返事したのにいつまでたってもやる気配なし。お弁当を作るのが遅くなるからもうやっちゃえって洗い物をはじめたら「え?やろうと思っていたのに」だって。頭にくる!

よく聞く話ですよね。

料理をはじめ家事をお願いする時は、「いつまで」にやってほしいかを伝えるようにしましょう

そして家事を教えてあげる時は、ぜひ教えてあげてください。

「家事に大切なのは、いつやるかだよ」と。

明日やろうは馬鹿野郎

料理が面倒になることはよくあります。

ほぼ毎日毎日朝食を作って、お昼のお弁当を作って、晩ごはんも作ってと、同じことの繰り返しですから無理もありません。

晩ごはんの洗い物くらい、明日でいいやって思いたくもなります。

でも、晩ごはんの洗い物をしないと、翌朝はたくさんの洗い物から一日がはじまることになります。

昨日の晩ごはんの洗い物が終わったら、また朝食を作って、お昼のお弁当を作って、夜は…。

その日の家事は、その日のうちに終わらせてしまわないと、苦労をするのは明日の自分です。

「寝る前にがんばって終わらせておけば…失敗した」と思っても後の祭りです

料理をお願いする時は、ぜひ教えてあげてください。

「家事を明日やろうは馬鹿野郎だよ」と。

この章のまとめ

  • 料理を失敗しないために伝えるコツその1「料理をやる時は、自分ができることを確実にやる」
  • 料理を失敗しないために伝えるコツその2「料理をやる時は、次の予定も考えていつやるかを意識する」
  • 料理を失敗しないために伝えるコツその3「料理をやる時は、その日できることはその日のうちに終わらせる」

まとめ:料理初心者だった頃を思い出して伝えよう

料理をやるのは慣れていても慣れていなくても大変です。

でも料理に慣れている主婦(主夫)の皆さんは、料理を上手にやるポイントもわかれば、料理初心者が上手にできない理由もわかるはず

この世に存在するのは、料理ができる人と料理ができない人の二種類ではありません。

料理ができる人とこれから料理ができるようになる人の二種類です

料理ができる人の負担を減らす一番確実な方法は、料理ができる人を増やすことです

今回は以上です。

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