普段あまり家事をしない人に掃除をお願いしたら、「キレイになったでしょ?」って言うわりには、キレイになっているのは目につくところだけ。時間もかけ過ぎだし、もっと効率的に掃除してもらわないと困るんだけど!
掃除初心者に掃除をお願いした時のあるあるですね。家事を毎日やっている側からすると、「なんでそうなるの?」と目が点になることもしばしば。
どう言ったら伝わるか?
どう伝えたらわかってもらえるか?
今回はそんなお話です。
本記事の内容
- 掃除初心者と掃除で優先するコトを共有しよう
- 掃除初心者が勘違いしがちなコトを知ろう
- 掃除初心者に掃除のコツを教えよう
- まとめ:掃除初心者だった頃を思い出して伝えよう
今回の内容は、掃除初心者の気持ちになって伝えてみようです。
「いや、毎日家事で忙しいのはこっちなんだから、こっちの気持ちこそ考えてよね!」
そうおっしゃりたい主婦(主夫)の皆さんの気持ちはわかります。ごもっともなご意見です。
でも、こちらが思うように掃除をしてもらえないのは、掃除初心者に伝えるべきポイントが伝わっていないからです。
掃除初心者に「主婦(主夫)からお願いされた掃除のポイント、言われなくてもわかるようになって!」って言うより、
主婦(主夫)の皆さんに「掃除初心者の気持ちになって伝えてあげて!」ってお願いする方が現実的です。
ポイントさえ伝えれば、ポイントさえわかれば、買い物のハードルは一気に下がります。
掃除はもちろん、家事をできる人が増えて困ることはありませんよ。
目次
掃除初心者と掃除で気をつけるコトを共有しよう
掃除をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその1。
それは、掃除で気をつけるコトを共有していないからです。
「どこを」「どこまで」キレイにするかを共有する
掃除をしてもらっても、毎回私がやりなおし。ちゃんと掃除をしてくれないことにストレスを感じるくらいなら、最初から私がやった方がいいけど、それじゃあ家事を分担する意味ないし。
家事を分担しようって言うから、自分ができる掃除をがんばっているのに、毎回わざわざやりなおしするのはなぜ?自分が掃除している意味ないでしょ!
こんな経験はありませんか?
毎回やりなおしをしなければならないほどいい加減な掃除をされたら、確かに怒りたくもなりますよね。
でも、本当にいい加減に掃除をしているだけなのでしょうか?
もしかしたら、「どこを」「どこまで」キレイにするかを共有していないのではありませんか?
掃除には永遠にキレイにするというゴールはありません。
ここまでキレイになればOKという区切りのラインでやめるのが掃除です。
その区切りのラインの目安となる「どこを」「どこまで」キレイにするかを共有しておかないと、キレイにする範囲やキレイにする度合いにズレが生じます。
結果、お互いの区切りのラインがわからないまま「適当に掃除して!」「ちゃんとやっているでしょ!」と、不毛な意見のぶつけ合いをすることになります。
このようなすれ違いが生まれないようにするためには、「どこを」「どこまで」掃除するかを話し合い、「常にこのくらいのキレイさを保ち続けよう」というイメージを共有する必要があります。
目指すキレイさを共有すると、「ここまでキレイにすればOK」というラインがわかるため、ポイントをおさえた効率的な掃除ができるようになり、家事の分担もしやすくなると思います。
この章のまとめ
- 掃除は「キレイにする」というゴールに終わりがないため、「ここまでキレイにする」という区切りのラインを設定する。
- 区切りのラインとなる「どこを」「どこまで」キレイにするかを共有しておかないと、お互いが掃除をした時にすれ違いが生まれる。
- 目指すキレイさを共有すると、ポイントをおさえた効率的な掃除ができるようになり、家事の分担もしやすくなる。
掃除初心者が勘違いしがちなコトを知ろう
掃除をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその2。
それは、掃除初心者がやりがちな勘違いをふまえて伝えていないからです。
自分が失敗しても妻(夫)がフォローしてくれると思いがち
忙しいから掃除をお願いしたのに、掃除機の置き場所がわからないとか、ごみをどこに捨てればいいのかわからないとかいって、結局私が掃除をする羽目に。頼りにしていたのに最悪!
掃除初心者に頼んでうまくいかなかった時って、こんな愚痴を聞きますよね。
忙しくて手が回らなくない状況だから頼りにしたのに、途中で投げ出されたら「なんでそんなに無責任なの!」って言いたくなります。
でもここはひとつ冷静になって、無責任なことを言ってしまうのはなぜか考えてみましょう
理由は色々と考えられますが、おそらく掃除初心者のやる気がでない一番の理由は「自分がやらなくても大丈夫」と思っているからです。
それが、「うちの妻(夫)ならひとりでも問題ないでしょ」という楽観的な考えによるものなのか、「どうせ自分は当てにされていない」という悲観的な考えによるものなのかはわかりません。
でも「自分がやらなくても大丈夫」と思うのは、二つのことを過小評価しているからです。
その二つとは、家事の量と自分自身の力量です。
家事の量は、家族の人数に応じて増えていく。
家事の負担は、家事を分担できる人数に応じて減っていく。
この二つのポイントがわかっていないため、「掃除初心者の自分がやるより、慣れている方が掃除した方が早く終わるはず」と勘違いしてしまうのです。
掃除をお願いする時はこの二つのポイント、家事の量が多くて料理まで手が回らないこと、そしてどれだけパートナーのことを頼りにしているかを伝えることが大切です。
「あなたは『自分ができなくても私がいるから大丈夫』って思っているかもしれないけど、私も『自分ができない時はあなたに頼ればいいから大丈夫』って思えるようになりたい」と伝えましょう。
家事で起きる問題は、主婦(主夫)ひとりの問題ではなく二人の問題であることがわかれば、きっとあなたの想いは伝わるはずです。
自分のやり方でやっていいと思いがち
掃除に時間かけなくてもいいようにと思って、効率的な掃除のやり方のポイントを教えても『ネットで調べたらこっちのやり方がいいって書いてあった』とか言って、自分のやり方でやろうとするのはなぜ?それでもちゃんとできていればいいけど、効率悪いし全然キレイになってないし!
掃除初心者に教えようとしてうまくいかなかった時って、こんな愚痴を聞きますよね。
相手のことを思って教えたのに、教えたとおりにやらないで失敗されると、「何のために教えたと思っているの?」ってため息がでます。
でもここはひとつ冷静になって、こちらの意図が伝わらなかったのはなぜか考えてみましょう。
その理由は、おそらく掃除のやり方を教えた理由である「効率的に掃除をする」というポイントが伝わっていないからです。
掃除の目的は「キレイにする」ことですが、主婦(主夫)にとっては「効率的」にという条件がつきます。
主婦(主夫)が効率性も重視するのは、ひとつ一つの家事に時間をかけていたら、一日にやるべき家事が終わらないからです。
だから掃除を教える時は、効率的にキレイに掃除できるやり方を教えます。
効率的な掃除のやり方をおぼえてもらって家事を分担できるようになれば、教える側の負担が減りますからね。
でも、「効率的に掃除をする」というポイントが伝わっていないと、「やり方を教えてくれたけど、自分は自分のやり方でキレイに掃除をしよう!」なんて勘違いすることになります。
それはそれで悪いことではないんですけどね。やる気があるのはいいことです。
掃除のやり方を教える時は、効率的な掃除のやり方を教える理由を伝えることが大切です。
「掃除だけに時間をかけてほしくないから、効率的にキレイにできる掃除のやり方をおぼえてほしい」と伝えましょう。
たくさんの家事をするうえで、掃除で優先すべきはキレイさだけではないということが伝われば、きっと効率的なやり方で掃除をやってくれるはずです。
掃除をしたらほめてもらえると思いがち
頼まれた掃除をしただけで、すごいことやってやった!みたいな感じで「どう?」ってほめてもらいたがるの何なの?毎日掃除をしている私にお礼なんか言わないのに!
これもよく聞く話ですよね。
「はじめてのおつかいじゃないんだから、あなたをほめるためにお願いしているわけじゃない」って言いたくなるのもごもっともです。
でも、こういう発想って普段から掃除をしている私たちにとっても悲しいと思いませんか?
掃除は「やって当たり前」かもしれませんが、「やって当たり前」だとお礼を言わなくなるのはなぜでしょう。
掃除するからこそ、掃除をしてくれる人がいるからこそ、心地よく日々の生活をおくることができるということに価値を感じない人が多過ぎます。
自分のために掃除をしてくれたことに感謝の気持ちを伝える。
感謝の気持ちは言葉にしてこそ伝わり、伝えてこそ価値があります。
以心伝心という言葉は、コミュニケーションをとらない言い訳として使うためのものではありません。
「掃除をしたらほめてもらえるなんて勘違いも甚だしい」世の中から「掃除をしてもらっているのに感謝もしないなんて勘違いも甚だしい」世の中に変えていきたいと思います。
この章のまとめ
- 掃除をお願いする時は、家事の量が多くて買い物まで手が回らないこと、どれだけパートナーのことを頼りにしているかという二つのポイントを伝える。
- 掃除を教える時は、キレイにするのはもちろん、時間をかけずに効率的に掃除をすることも大切だということを伝える。
- 「掃除をして当たり前」ではなく「掃除をしてもらったら感謝するのが当たり前」になるように、感謝の気持ちは言葉にして伝える。
掃除初心者に掃除のコツを教えよう
掃除をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその3。
それは、掃除初心者に教えるべき掃除のコツを伝えていないからです。
できる範囲でキレイにする
「掃除をするうえで、気をつけることはなんですか?」と聞かれたら、迷わずこう答えます。
「無理をしないで、その時にできる範囲でキレイにすることです」と。
掃除にゴールはありません。キレイさを追求しようと思ったら時間がいくらあっても足りません。
でも、どれだけ時間をかけてキレイにしても、掃除が終わったところからホコリはどんどんたまっていきます。
どれだけ徹底的に掃除をしたところで、そのキレイさが永遠に続くわけではありません。
そして掃除に時間をかければかけるだけ、確実にほかの家事に使える時間は減っていきます。
日によって家事の数は大きく変わりませんが、家事に使える時間も大きく変わりません。
ゴールがない掃除に必要以上に時間をかけるのは、家事をこなすうえで得策ではありません。
家事に使える時間を増やそうと思ったら、あとは自分の時間を減らすしかないからです。
家事をやっていると、時間のやりくりの大切さに気づきます。
主婦(主夫)でも掃除初心者でも、一日に与えられる24時間という時間に変わりはありません。
家事をお願いする時は、ぜひ教えてあげてください。
「掃除に大切なのは、時間をかけ過ぎないことだよ」と。
いつまでに掃除を終わらせるべきか
掃除初心者が掃除をする時に見落としがちなのが、「いつまでに」という視点です。
「家事は次に何かをやるための準備」という認識がないと「時間が空いた時でいいかな」と思ってしまいます。
掃除もやるべきタイミングでやらないと、次の予定がどんどん詰まってしまうので、「いつまでに」という視点はとても重要です。
「お風呂掃除をお願いね」ってお願いしたのに、全然やる気配なし。「いつになったらやってくれるの?早くやってくれないとお風呂沸かせないから、お風呂に入る時間もどんどん遅くなるよ!」って言ったら「今やろうと思っていた」だって。お風呂に入るためのお風呂掃除なのに!
よく聞く話ですよね。
「最初にやらないとお風呂を沸かすのもお風呂に入るのも遅くなるから、お風呂掃除をすぐにお願いね」と伝えれば、頼まれた方も自分に求められていること=今すぐにやるということがわかります。
掃除をはじめ家事をお願いする時は、「いつまで」にやってほしいかを伝えるようにしましょう。
そして家事を教えてあげる時は、ぜひ教えてあげてください。
「大切なのは、いつまでにやるべきかを確認することだよ」と。
掃除を大仕事にしない
掃除は面倒です。
やってもやってもキリがない。やらないとどんどんホコリがたまってしまう。
掃除機を引っ張り出すだけでも大仕事に感じてしまいます。
掃除を面倒な大仕事にしないコツは、こまめにキレイにすることです。
いつも掃除をしていれば、ホコリがたまりやすいところ、汚れが目につきやすいところがわかります。
それらを手があいた時や気になった時にサッと掃いたり拭いたりして、ホコリがたまらないように、汚れが目につかないようにしましょう。
こまめにキレイにすることで、掃除機や雑巾がけをする必要がない状態を保てばいいのです。
そうすれば、掃除機や雑巾がけの回数を週に何回かに減らしても、家の中のホコリや汚れが目立つことはありません。
気づいた時にすぐにキレイにできるように、モップやフローリング用のワイパーをすぐに使える場所に置いておきましょう。
掃除をお願いする時は、ぜひ教えてあげてください。
「掃除を楽にするコツは、気が付いた時にすぐにキレイにすることだよ」と。
この章のまとめ
- 初心者に教えたい掃除のコツその1「掃除に時間をかけ過ぎない。できる範囲でキレイにすればいい」
- 初心者に教えたい掃除のコツその2「掃除をする時は、次の予定も考えていつまでに掃除を終わらせればいいかを確認する」
- 初心者に教えたい掃除のコツその3「掃除を楽にするためには、こまめにキレイにすることを心がける」
まとめ:掃除初心者だった頃を思い出して伝えよう
掃除は慣れていても慣れていなくても面倒です。
でも掃除をやり慣れている主婦(主夫)の皆さんは、効率的に掃除をするポイントもわかれば、掃除初心者がやりがちな失敗も想像がつくはず。
この世に存在するのは、効率的に掃除ができる人と効率的に掃除ができない人の二種類ではありません。
効率的に掃除ができる人とこれから効率的に掃除ができるようになる人の二種類です。
掃除ができる人の負担を減らす一番確実な方法は、効率的に掃除ができる人を増やすことです。
今回は以上です。