普段あまり家事をしない人に買い物をお願いしたら、ちゃんと買い物リストを渡したのに、いつも家で使っている以外の商品を買ってくるし、「安かったから」ってリストにはない商品を買ってくるし。どう伝えれば、ちゃんと買い物してきてくれるの?
家事初心者に買い物をお願いした時のあるあるですね。家事を毎日やっている側からすると、「なんでそうなるの?」と目が点になることもしばしば。
どう言ったら伝わるか?
どう伝えたらわかってもらえるか?
今回はそんなお話です。
本記事の内容
- 買い物初心者と買い物で優先するコトを共有しよう
- 買い物初心者が勘違いしがちなコトを知ろう
- 買い物初心者に失敗しないためのコツを教えよう
- まとめ:買い物初心者だった頃を思い出して伝えよう
今回の内容は、買い物初心者の気持ちになって伝えてみようです。
「いや、毎日家事で忙しいのはこっちなんだから、こっちの気持ちこそ考えてよね!」
そうおっしゃりたい主婦(主夫)の皆さんの気持ちはわかります。ごもっともなご意見です。
でも、買い物リストを渡してもそのリスト通りに買い物をしてもらえないのは、買い物初心者に伝えるべきポイントが伝わっていないからです。
買い物初心者に「主婦(主夫)からお願いされた買い物のポイント、言われなくてもわかるようになって!」って言うより、
主婦(主夫)の皆さんに「買い物初心者の気持ちになって伝えてあげて!」ってお願いする方が現実的です。
ポイントさえ伝えれば、ポイントさえわかれば、買い物のハードルは一気に下がります。
買い物はもちろん、家事をできる人が増えて困ることはありませんよ。
目次
買い物初心者と買い物で優先するコトを共有しよう
買い物をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその1。
それは、買い物で優先するコトを共有していないからです。
買い物のゴールは無い物の補充ではない
商品名まで書いたリストを渡して買い物をお願いしたのに、「安かったから」とか言って知らないメーカーの商品を買ってきた。「いつもと違うのは使いづらいから商品名まで書いたのに」って言ったら、「せっかく買ってきたのに!」って逆切れ。頭にきているのはこっちなんだけど。
「買い物をお願いね」って言われたから、もらったリストにある商品より安い物を選んで買い物してきたのに、お礼を言われるどころか「リスト通りに買ってきてよね!」って怒られた。なんだよ!
こんな経験はありませんか?
「買い物をお願いしたら、頼んだものと違うものを買ってきた!」
買い物を頼んだ時のあるあるですね。
こういうことが起こる原因は、買い物で優先するポイントを共有していないためです。
買い物で優先するポイントは、その時に買いたいものによって異なりますよね。
使いやすさを重視して、いつも使っているものを優先する場合もあれば、安さを優先する場合、質を優先する場合などさまざまです。
主婦(主夫)は、買い物リストを見れば(買い物リストがなくてもですが)、「これは日用品だからいつも使っているもので、これは安いものでいいかな。こっちは美味しい方がいいから高くてもOK」というように、買うものによって異なる優先ポイントがわかります。
ところが、買い物初心者は買い物リストを見ただけでは、優先するポイントを見分けることなんてできません。
「どれを買えばいいか迷わなくていいように」と商品名を書いた買い物リストを渡したところで、買い物初心者にとっては単なる目安です。
結果、「安いものを選んで買い物してきたよ!」という買い物初心者に対して、「使いづらいものばかり買ってきて!」という不満が出てきます。
このようなすれ違いが生まれないようにするためには、「使いやすいから」「安いから」「品質がいいから」など、買い物で優先するポイントを伝えて、何を買うべきかを共有することが大切です。
「買い物お願いね。買い物リストに商品名が書いてあるものは、使いやすくてずっと使い続けているものだから、違うものは買わないでね。もしお店にない時は買わなくていいよ。商品名が書いてないものは、安さ優先で。」
こんな感じで優先するポイントを具体的に伝えれば、お店で商品を選ぶ時に、買い物リストを見ながら何を買うべきか思いだしてもらえるはずです。
優先するポイントを共有して買い物への理解が深まれば、家事の分担もしやすくなると思います。
この章のまとめ
- お願いする側(主婦/主夫)が買い物で優先するポイントを、お願いされる側(買い物初心者)と共有しないとすれ違いが生まれる。
- 買い物で優先するポイントを伝えることで、何を買うべきかを共有することができるようになる。
- 優先するポイントを共有して買い物への理解を深めることができれば、家事の分担もしやすくなる。
買い物初心者が勘違いしがちなコトを知ろう
買い物をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその2。
それは、買い物初心者がやりがちな勘違いをふまえて伝えていないからです。
自分が失敗しても妻(夫)がフォローしてくれると思いがち
忙しいから買い物をお願いしたのに「頼まれたものが見つけられなかったから」ってそのまま帰ってきちゃって、結局私が買い物する羽目に。頼りにしていたのに最悪!
買い物初心者に頼んでうまくいかなかった時って、こんな愚痴を聞きますよね。
忙しくて手が回らなくない状況だから頼りにしたのに、途中で投げ出されたら「なんでそんなに無責任なの!」って言いたくなります。
でもここはひとつ冷静になって、無責任なことを言ってしまうのはなぜか考えてみましょう
理由は色々と考えられますが、おそらく買い物初心者のやる気がでない一番の理由は「自分がやらなくても大丈夫」と思っているからです。
それが、「うちの妻(夫)ならひとりでも問題ないでしょ」という楽観的な考えによるものなのか、「どうせ自分は当てにされていない」という悲観的な考えによるものなのかはわかりません。
でも「自分がやらなくても大丈夫」と思うのは、二つのことを過小評価しているからです。
その二つとは、家事の量と自分自身の力量です。
家事の量は、家族の人数に応じて増えていく。
家事の負担は、家事を分担できる人数に応じて減っていく。
この二つのポイントがわかっていないため、「買い物初心者の自分がやるより、慣れている方が買い物すれば効率がいいはず」と勘違いしてしまうのです。
買い物をお願いする時はこの二つのポイント、家事の量が多くて料理まで手が回らないこと、そしてどれだけパートナーのことを頼りにしているかを伝えることが大切です。
「あなたは『自分ができなくても私がいるから大丈夫』って思っているかもしれないけど、私も『自分ができない時はあなたに頼ればいいから大丈夫』って思えるようになりたい」と伝えましょう。
家事で起きる問題は、主婦(主夫)ひとりの問題ではなく二人の問題であることがわかれば、きっとあなたの想いは伝わるはずです。
自分のやり方でやっていいと思いがち
買い物をお願いしたら、買い物リストに書いてないものまでいっぱい買ってきた。「タイムセールで安かったし、今が旬なんだって!」って、そんな理由で買い物していたら、お金がいくらあっても足りないから!
買い物初心者にお願いしたら、買わなくていいものをたくさん買ってきたなんて愚痴聞きますよね。
余計なものを買わなくていいようにと買い物リストを渡したのにこのありさまでは、「買い物リストを書いた時間をムダにした」ってため息がでます。
でもここはひとつ冷静になって、こちらの意図が伝わらなかったのはなぜか考えてみましょう。
その理由は、おそらく買い物リストを渡した理由である「余計な買い物をしないように」というポイントが伝わっていないからです。
主婦(主夫)は余計な買い物をすると、その多くはムダになる可能性が高いことを知っています。
だから買い物を頼む時は、余計な買い物をしないように必要なものだけを書いた買い物リストを渡します。
買い物リストを書く面倒より、買ってきた余計なものをどうやって使い切ろうかと思案する方が余程面倒ですからね。
でも、「余計な買い物をしないように」というポイントが伝わっていないと、「この時間帯でしか安く買えないのなら、買った方が得だよね」なんていう買い物をすることになります。
それはそれで悪いことではないんですけどね。少しでも安いものをなんて貪欲さは主婦(主夫)の鑑です。
買い物を頼む時は、安いからという理由で使う予定のないものを買っても、結局は払ったお金も買ったものもムダになることを伝えましょう。
買い物で大切なのは必要なものを買うことという基本がわかれば、余計なものばかりを買うようなことはしないはずです。
買い物をしたらほめてもらえると思いがち
頼まれた買い物をしただけで、すごいことやってやった!みたいな感じで「どう?」ってほめてもらいたがるの何なの?毎日買い物している私にお礼なんか言わないのに!
これもよく聞く話ですよね。
「はじめてのおつかいじゃないんだから、あなたをほめるためにお願いしているわけじゃない」って言いたくなるのもごもっともです。
でも、こういう発想って普段買い物をしている私たちにとっても悲しいと思いませんか?
買い物は「やって当たり前」かもしれませんが、「やって当たり前」だとお礼を言わなくなるのはなぜでしょう。
買い物するからこそ、買い物をしてくれる人がいるからこそ、日々の生活が成り立っているということに価値を感じない人が多過ぎます。
自分のために買い物をしてくれたことに感謝の気持ちを伝える。
感謝の気持ちは言葉にしてこそ伝わり、伝えてこそ価値があります。
以心伝心という言葉は、コミュニケーションをとらない言い訳として使うためのものではありません。
「買い物をしたらほめてもらえるなんて勘違いも甚だしい」世の中から「買い物をしてもらっているのに感謝もしないなんて勘違いも甚だしい」世の中に変えていきたいと思います。
この章のまとめ
- 買い物をお願いする時は、家事の量が多くて買い物まで手が回らないこと、どれだけパートナーのことを頼りにしているかという二つのポイントを伝える。
- 買い物をお願いする時は、安いからという理由で予定にないものを買っても、ムダづかいになるだけということを伝える。
- 「買い物をして当たり前」ではなく「買い物をしてもらったら感謝するのが当たり前」になるように、感謝の気持ちは言葉にして伝える。
買い物初心者に失敗しないためのコツを教えよう
買い物をお願いした時に、やってほしいことが伝わらないワケその3。
それは、買い物初心者に失敗しないためのコツを伝えていないからです。
買うものをチェックしてから買い物に行く
「買い物をするうえで、気をつけることはなんですか?」と聞かれたら、迷わずこう答えます。
「何度も買い物に行かなくてもいいようにすることです」と。
買い物をする時に、「お店に並んでいる商品を見れば思い出すだろう」って買い物リストを持たずに行ったり、冷蔵庫にあるものをチェックしないで行ったりすると、あれもこれも買い忘れてしまい、結局もう一度買い物に行く羽目になったことはありませんか?
自分でもう一度買い物に行けばいいだけですし、会社帰りのパートナーに買い忘れたものをお願いすれば事足りますし、それ自体は大きな問題ではありません。
でも確実にムダにするものがあります。それは時間です。
日によって家事の数は大きく変わりませんが、家事に使える時間も大きく変わりません。
買い忘れのために買い物をやりなおす時間はもったいないの一言です。
失敗した家事をリカバリーするための時間は、ほかの家事の時間や自分の時間を奪っていきます。
家事をやっていると、そのうち失敗してやりなおすことのダメージの大きさに気づきます。
主婦(主夫)でも買い物初心者でも、自分を過信すれば痛い目を見ることになるのは変わりません。
家事をお願いする時は、ぜひ教えてあげてください。
「買い物に大切なのは、買い物に行く前のチェックだよ」と。
大切なのは「いつ」買い物に行くべきか
買い物初心者が買い物をする時に見落としがちなのが、「いつ」買い物に行くかという点です。
「買い物は次に何かをやるための準備」という認識がないまま「時間が空いた時に買い物に行けばいい」と思っていると、やるべき家事がどんどん溜まっていって、次の予定もはじめられないという状況になります。
「買い物に行ってきて」ってお願いされたけど、晩ごはんの準備に間に合えばいいやと思って後回しにしていたら、晩ごはんの準備の前にやるつもりだったお風呂掃除で使う洗剤も買ってきたほしかったみたいで、「なんですぐに買い物に行ってくれないの?何もできないじゃない!」って怒られた。
よく聞く話ですよね。
買い物をはじめ家事をお願いする時は、「いつまで」にやってほしいかを伝えるようにしましょう。
そして家事を教えてあげる時は、ぜひ教えてあげてください。
「大切なのは、いつ買い物に行くべきか確認することだよ」と。
明日やろうは馬鹿野郎
買い物が面倒になることはよくあります。
寝ぐせだらけのぼさぼさ頭でもできる洗濯や調理とはちがい、外にでかけるための準備をする必要がありますから面倒ですよね。
でも、一日買い物をしないと、翌日の買い物はより多くのものを買うことになります。
マイカーで買い物をする場合は、多少買い物が増えても困ることはありませんが、自転車や公共交通機関を利用して買い物している人は大変です。
その日の買い物は、その日のうちに終わらせてしまわないと、苦労をするのは明日の自分です。
「やっぱり昨日も買い物しておけば…失敗した」と思っても後の祭りです。
買い物をお願いする時は、ぜひ教えてあげてください。
「家事を明日やろうは馬鹿野郎だよ」と。
この章のまとめ
- 買い物を失敗しないために伝えるコツその1「買い物をする時は、行く前に買うものをチェックする」
- 買い物を失敗しないために伝えるコツその2「買い物をする時は、次の予定も考えていつ買い物に行くべきか確認する」
- 買い物を失敗しないために伝えるコツその3「その日できる買い物はその日のうちに終わらせる」
まとめ:買い物初心者だった頃を思い出して伝えよう
買い物をするのは慣れていても慣れていなくても面倒です。
でも買い物に慣れている主婦(主夫)の皆さんは、上手に買い物をするポイントもわかれば、買い物初心者がやりがちな失敗も想像がつくはず。
この世に存在するのは、上手に買い物ができる人と上手に買い物ができない人の二種類ではありません。
上手に買い物ができる人とこれから上手に買い物ができるようになる人の二種類です。
買い物ができる人の負担を減らす一番確実な方法は、上手に買い物ができる人を増やすことです。
今回は以上です。